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疼痛ゼロの日シンポジウムin高松:第2回難治性疼痛診療システム研究会のまとめ
テーマ~痛み難民を救う:わが国に適した慢性痛診療システムを求めて~ その5

平成26年10月19日 


                        

《講演③》

「わが国の慢性の痛み対策の現状」
    厚生労働省健康局疾病対策課 課長 田原克志先生

【慢性疼痛を取り巻く現状】

 慢性の痛みを来す疾患は、多種多様で、評価法・診断法が確立されておらず、診療体制が整っていない。
 慢性疼痛を憎悪させる要因は複雑で、患者の生活の質を著しく低下させており、社会の損失も大きい。

【対策】

 慢性痛対策は、慢性疾患対策の充実への必要性の中から始められた。平成21年12月~平成22年9月まで「慢性の痛みに関する検討会」を行った。その結果、慢性の痛みは、患者のQOL低下を招くなど深刻な問題で、身体、精神、社会面が複雑に関与しているので、診療科の枠を超えた全人的アプローチが求められるという結論に至った。

 検討会で求められた対策は、
 ①医療体制の構築
 ②教育、普及啓発
 ③情報提供、相談体制
 ④調査・研究・・である。

 そこで、平成23年度より「慢性の痛み対策研究事業」をはじめ、痛みセンターを立ち上げて、患者さんを集学的に診療する体制構築のための研究を行っている。

 現在、痛みセンターは19大学に設置。各都道府県一つの設置も念頭に取り組んでいる。また、相談体制のため愛知医科大学に相談センターを設けて全国からの電話相談を受けている。

 その他、各研究班を設けて研究を行っている。h27年度については、増額を要求しているが財政逼迫の折、難しいが、必要性を訴え予算確保に努めたい。

 また、相談事業は、h24年度から行い、電話による医療相談、ホームページによる知識の普及啓発、市民公開講座、医療者向け研修会などを行っている。

 予算上は、現在、調査研究の部分に重きを置いている。調査研究の結果を医療体制の構築、教育・普及啓発・相談体制の充実に反映していきたいと考えている。
 体制ができてきて、更に研究が進み、体制が充実してくるという循環をめざしている。
 慢性の痛み対策議員連盟とも連携を取り対策を充実していきたい。

文責 ぐっどばいペイン事務局 若園

田原先生

てんとう虫



最終更新日2015年5月29日