私の体験 むち打ちヘルニアの症状とリハビリについて

今日はメールでリクエストがあった、私のむち打ちヘルニアあとの具体的な症状とリハビリについて書いてみます。

私の場合、ドクターの誤診(?)というか、症状を甘く見積もりすぎてしまっていて少し変則的な経過をたどってしまったので、同じ症状でも早めに大きな総合病院のいい治療を受けられてもっといい経過をたどった方も沢山いらっしゃると思うのですが、むち打ちは傷口が外から見える開放性の怪我ではないので、こういうケースもあるか、という参考になさってください。

受傷後、すぐその日は妙にふわふわして体の重心がとりにくいような浮遊感があって、多少の眩暈がした。痛みはすぐには来なかった。

一週間から10日ほどで、背中に痛みが来た。ただ、そのころまた根をつめて仕事をしていてひどい肩こりと背中の痛みもあったので、(事故前から)危機感がそれでも薄く、整形で痛み止めをもらって飲んでしのいでいたのみだった。そのころは頚椎カラーははめると余計肩がこったのでつけていなかった。幼児がいたので安静もなし。
後に、このころの少し乱暴な日々の過ごし方をとても悔やむようになる。

受診していたのは自宅から近くの普通の整形外科。むち打ちは安静にしていればそのうち治る、という感じで、あまり相手にされず、転院するが、そこでもたいした治療は受けられず、接骨院でリハビリを受ける。牽引、温熱、部分針、低周波、など。効果なし。

また違う整形で、しばらくトリガーポイントの局部麻酔を受ける。注射がとても痛いわりに、数時間で効果が切れる。なぜかどんどん症状がひどくなり、首が固まり始める。受賞後半年ほどが一番症状がひどくなる。背中にガラスがちりばめられたような激痛が始まる。
なすすべもなく総合病院の整形にいくが、そこでも安静しかないといわれる。

ヘルニアがあることが確認されるが、そのころの症状は、
 左半身の全体のしびれ。足にも自然に力が入ってしまうつっぱり感がある。
 微熱。吐き気。頭痛。首から肩、背中にかけての異常な痛み。朝起きられない。
 顔と口の中の痛み、しびれ。足に力が入らない。握力が弱って、よくものを落とす。
 不眠。頚椎カラーは断続的につける。
 一番症状のひどいときは、外出する気になれず実は病院にもいけなかった。
 よって、リハビリなし。ひたすら寝ていた。
このころ、救急車を呼んででも入院して、本格的な治療を受けていれば(絶対安静、交感神経ブロック、本格的な麻酔など)その後の予後が違ったと思う。幼児がいたので家を空けられなかった。

そのまま症状固定。MRIを3回もとるが、画像そのものでは脊髄の圧迫はない、神経根の症状があるだけ、といわれる。特に治療のすべがなかった。

そのころ多少の効果があった治療は軽い力で行う全身のマッサージ。暖めてさするような感じのものをやってもらってほんの少し軽快。枕を低反発のものに見直すことで少し楽になる。ふとんも脊椎に障害がある人用のものにかえ、やはり少し楽になる。
それから、たまに外出するときの靴を見直す。ふらふらして歩けないので、やはりむち打ち経験のある方から、重心矯正サンダル(アルカという足の型をちゃんととって、体に障害がある人でもはける靴をアドバイスしてくれる特別な靴屋さんで買いました。)という靴を教わり、室内履きなので少し恥ずかしかったがなるべく近所はそれで歩き、万歩計をつけて少しずつ歩けるように訓練。ねたきりから ちょっと脱することが出来た。

日常生活を何とか送りながら、どうにかこうにか、パニック障害の薬でごまかしながらその後もあまりたいした治療を受けられずに、自己流のリハビリで過ごす。
確実に効果があった治療は最初の数回のカイロプラクティック、本当につらいときのひたすらな安静、自分なりのウィオーキングなど。接骨院や整形での牽引やマッサージは効果に乏しかった。

こうして振り返ってみると、病院には散々通っていたのに、いわゆる名医の本格的な治療というものは受けられなかったことに気づく。自分にとってつらい症状があったら、たいしたことがないはずだ、という他覚症状に惑わされず、はやめに評判のいいドクターに通って本当に手厚い治療を受けていれば随分違ったような気がする。
ただ、ヘルニアやむち打ちの症状が本当につらいとき、効果的な治療は、まずペインクリニックに行って痛みを十分にとり、全身症状を自分にとって出来る限り楽にしてから、はじめは出来る限りの安静、そして少しずつのリハビリ、これが一番の王道ではないか、と今振り返ってみてそうおもう。いきなり、ふっと楽になる劇的な治療はないように思う。

個人的に少し反省しているのは、ドクターから言われたこととはいえ、少し牽引の時期がはやすぎたように思う。怪我の程度がはじめおもっていたより重かったので、必死に引っ張るより、もう少し安静の時期を長く取ったほうがよかったような気がする。そして、やはり返す返すも、きちんとしたペインクリニックにいって、十分にはじめの痛みを麻酔してとってあげればよかったと思う。注射は、本当に怪我がひどいときは一時的な効果しかない。注射そのものは万能ではないけど、わずか数日でも痛みから解放されて動ければ、その分寝たり起きたりしているより、体力や筋力が落ちない。痛くなったらまた打って、とインターバルを少しずつあけながら、だましだましなおしていく、できるだけQOLを落とさずに痛みで鬱状態にならない工夫をする、というのが大切だった用に思う。むち打ちは、と自覚症状が頼り。お医者さまより、まず自分の体に聞いてみる。そのとき、自分が出来るだけ楽になるリハビリを自分で探っていくしかない。不安のあまり、あっちのドクター、こっちのドクターとドクターショッピングをして、そのたびにレントゲン被爆をしていた自分は今から思うとちょっとおろかです。

あとからこのページを読む方は、ご自分のケースで参考になさってください。

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