痛みとうつに太陽の恵み

大きな外科手術をしたあとの患者さんで、日当たりがいいお部屋に入院していた人と、そうでなかった人とを比べたとき、日当たりのよい部屋に入院していた人の方が、26%も痛み止めの量が少なくすんだそうです。
痛みの緩和に日差しが効果がありそうです。

もうひとつ。日光の下で運動をすることがうつ病にも有効だということが確かめられています。

実験は、成人のうつ病患者をランダムに選んで行われました。グループAは、朝の明るい日差しの下で運動をし、グループBは、室内の通常の明かりの下で運動をしました。
実験は8週間にわたって行われ、その間、心身の健康状態を調べる診断は、実験導入時、4週間後、8週間後の3回行われています。

その結果、室内光でも、太陽の光でも、8週間にわたる運動で患者のうつ状態は改善されましたが、特に、仮眠傾向のあるうつ病患者では、明るい日光の下での運動が非常に効果があることが確かめられました。

朝の明るい日差しの下で行われる運動は、うつ状態にも、体の健康にもよいことがこの実験で証明されています。まだ、なぜそうなっているのか、メカニズムに関しては明らかにされていませんが、うつ病と慢性疼痛との関係が深いことを考えると、早起きをして、軽い運動を明るい日の下で行うこと。病気や怪我で痛みや不快感がつらいときは、せめてできるだけ日当たりのよい部屋で休むこと。
こころがけるだけでも、病気のつらさが随分違ってくるかもしれません。


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