日本のカイロプラクティックを考える。

日本にいて、一番苦しい症状(首がほとんど動かせない。下から上を向くときに、くねくねと蛇行するほど頚椎がずれている。ずれたまま固まってしまった頚椎の気持ち悪さが四六時中気になる、など)に悩んでいたとき、劇的に効いたのは、カイロプラクティックでした。
診て貰ったのは、アメリカのカレッジでドクターを取ってきたいわゆる本場のドクター・オブ・カイロプラクティックと呼ばれる先生です。
そこに行き着くまでに、無資格で開業していた怪しげな整体に藁をもすがる思いでかかってしまい、大変に暴力的な施術を受けて余計にひどくしてしまった苦い思い出があるので、その先生を捜しあてるには随分神経を使いました。日本ではアメリカやオーストラリアのように、カイロプラクティックと言う治療が市民権を得ていないので、国家資格として認知されていません。きちんとした学校が全然ないわけではありませんが、資格ではなく認定証になっているため、ところによっては数ヶ月の研修のみで認定されるようなややいい加減なところも全くないとはいえなくて、国内でいいカイロの先生を探すのはとても難しいと思います。オーストラリアでは、カイロプラクティックは代替医療としてきちんと認められているので、ドクターは皆4年生のカレッジを卒業して、基礎医学の勉強をしていますし、レントゲンやMRIも見ることが出来るように教育を受けていますので、行くのに怖い、という思いをすることはありません。医療保険も利きますし、ドクターからレントゲンと紹介状をもらって行く事もできます。
 とにかく、当時の固まってしまって全く動かなかった首の苦しい症状をとるのに、カイロは劇的な効果がありました。たとえて言えば、突き指したまま曲がってしまって、伸ばせなかった指を、一瞬のマッサージで動かせるようにしてくれた、という感じでしょうか。
首にしろ、腰にしろ脊椎を痛めると、これ以上動かして傷めないように、体が生体コルセットを自然に作って筋肉を固めてしまうので、その緊張をとるためには動かすしかないのですね。自分でやるストレッチももちろん有効で、正当な治療ですが、私の場合は、きちんとした先生によるカイロはとても効果がありました。正式な医療行為として認められてはいませんし、資格が乱立している今の日本の現状ではネットでお勧めするわけにはいかないのですが・・・。今日本では、整形外科と、接骨院、またハリやマッサージやカイロなどの民間治療が敵対関係にあるようで、なかなかお互いのよさを認めてチーム医療をするようになっていませんね。
これがなんとかならないかなぁ。と個人的に思っています。

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