頚椎と腰椎のダブルヘルニア闘病記録;レーザー治療の恩恵で社会復帰できました!
(as of Nov. 5, 2004)

サマリー
15年前(1989年)に頚椎C5/6ヘルニアによる脊髄圧迫で前方固定手術(蝶骨自家移植)をしたのですが、2004年7月のある日の朝方、頚椎ヘルニアが再発し激痛で息が苦しくなって救急車搬送され、大学病院に入院しました。前回のC5/6の上下が以前からヘルニアぎみになっていて、今回はC6/7が、爆発したのです(やはり下がより再発しやすい?)。最初の1週間はもう痛みとの戦いで、持続牽引(1日2時間×3回)で激痛は軽減したものの、首を動かすと痛いのでベッドから歩いて廊下へ出ることさえできず、右腕から肩甲骨の痛みや指のしびれ感、腫れで苦しんでいました。3週間あまり入院し、大学病院では、もうしばらく休職しゆっくり保存療法して様子を見るよう薦められましたが、これまでの患者は元通りに社会復帰されたかどうかの質問になると明確な返答はなく、これ以上の治療効果はないと判断し、ロキソニン(ボルタレン)、オパルモン、メチコバールの内服薬と3週間後の予約をもらい退院しました。主治医は病状や出来る範囲の治療について、熱心に納得いくまで説明してくださいましたが、痛みと不自由な体でいつになったら日常生活ができるのかの保証もなく、このままの状態では我慢できなかったのです。
そこで、退院直後に、友人から聞いたレーザー治療(PLDD)をインターネット検索し、ドクターの予約を取り、MRI画像を持参した1週間後にレーザー治療を受けました。日帰り手術で、治療はたったの15分。局所麻酔の痛みだけで、治療はあっという間に終了。保険が利かないのが難点ですが、痛みをこらえて不自由な体で休職するよりずっとましと判断しました。前方固定手術すると、私のようにその上下に再発することがよくあり、レーザー適用が可能なケースならば、レーザーで悪化したという症例は聞いたことがありませんから、試してみるのも良いかもしれません。レーザー直後は、インターネットもできるようになり、右腕も動くし、首をそらしても激痛はしませんし平らなベッドでも寝られるようになりました(それまでは、MRI検査で横になるだけでも激痛が走り、傾斜をつけたベッドで寝ていました)。まだ指の腫れ、知覚異常は残っていますが、レーザー10日後くらいに社会復帰しました。頚椎レーザーの1ヵ月後に、腰痛も軽減したくて腰椎のヘルニア(2箇所の内、L4/5)もレーザー治療しました。

前方固定手術後の経過 
頚椎の前方固定手術後は、運よく神経の後遺症も全くなくテニスやスキー、ゴルフなど、全く不自由なく過ごせておりました。たまに頭痛がしたり一過性の頚腕痛、あとはひどい肩こりに悩まされる程度でした。1、2年おきくらいにMRIを撮り経過観察する程度で治療もなく、重いものを持たないとか首を後屈しないようにし全く病気を意識せず普通の生活を送っていました。

初回ヘルニア発症の原因と経過 
特定できるような原因は不明です。スキーのアイスバーンでこけたこともありますが、歯科であごのスペースがなくて真上に出てこなかった下歯を1本、虫歯治療で無理やりにスペースを作って差し歯した後、肩甲骨の痛みに始まり、左の腕から肩に激痛がやってきました。歯の噛み合わせを変えたくらいしか原因が思い当たりません。重いものを持ち上げた時に肩から腕に電気が走り、それから肩甲骨の辺りや肩が少し痛くなって2ヵ月後くらいから夜中に激痛が走りました。近くの整形外科でレントゲンだけ撮って、ヘルニアと言われ物療を1ヶ月足らず続けましたが、痛みはますますひどくなるだけで治らず、病院へかけこんですぐにMRI検査して翌日に入院しました。激痛の痛みは、今から思えば、再発時よりも少し軽度で、のた打ち回るような痛みではありませんでした、C5/6の脊髄圧迫がひどいとのこと(MRIでは、ヘルニアのでっぱりで、脊髄がぐにゃっと迂回したようになっていました)で、翌月に手術し、何の後遺症もなくもとの生活に戻りました。

再発の原因 
仕事のプロジェクトが重なり、発症の9ヶ月以上前から連日10時間以上のPCデスクワーク勤務が続き、腰椎のヘルニアで腰痛や足の指、腿などのしびれに気を取られ、頚椎ヘルニアの危険信号(肩こり、肩甲骨の痛み)を無視していました。そこにオフィス引越しで本棚を持ち上げた途端、肩から腕に電気が走り翌日から右の肩甲骨が痛くて1週間後の明け方に激痛が起こり再発したことがわかりました。原因は、長時間によるPC勤務で、弱い頚椎に大きな負担がかかったことによると推測します。

レーザー手術のきっかけと概要 
病院へ見舞いに来てくれた友人から聞いて、インターネットで頚椎のレーザー施設を探しました。その結果、現在関西には頚椎レーザーを施術している病院はなく、名古屋駅の近くにある○○クリニックにレーザー専門医(Dr. M)がおられることがわかりました。Dr. Mは、東京、名古屋まで出張して治療されており、MRI画像の観察眼が鋭くレーザー治療もすばやいので、知識と経験、そして私のように特に狭い椎間板へ穿刺する技術はすごいと感心しました。手術室滞在時間は、頚椎レーザーで15分、腰椎だと10分あまり。局所麻酔の痛みだけであっという間に終わります(手術時間や痛みは、施術するドクターによって、大きな開きがあるようです)。1時間あまり横になって安静にして新幹線で帰宅しました。過去10年間のレーザー治療例数は、腰椎1万件以上、頚椎は3000件あまり(頚椎の治癒率60%、腰椎だと90%;これは完治ではなく多少でも良くなった患者も含めてのことだと推測)ということです(Dr.本人から聞いたこと)。3ヵ月後に満足した結果が得られない場合は、治療費の半額が返還されることになっています。
参考までに、下記にレーザー治療のVIDEOが見られます。「レーザー治療」で検索して(7)をご覧ください。
http://sc-smn.jst.go.jp/index.html

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頚椎レーザーの効果
レーザー前のMRI画像のヘルニアは、脊柱管の幅いっぱいくらいのデッパリがありましたが、レーザー6日目で半分弱、5W後で脊髄横の神経根スペースに収まるくらい小さくなっていました。横割画像でも脊髄への圧迫はないと専門医の診断をいただきました。今は神経根に触る程度のデッパリです。痛みはましになりましたが、まだ右手の指の腫れ、しびれ感、知覚異常や痛みは治らないので、一旦痛んだ(誤作動した?)脊髄神経はなかなか元に戻らないということでしょうか。
旅行の許可も出ました。但し、長時間フライトの旅は、来年2005年からにしなさいとのことです。
(レーザー後のjpg画像があります・・・・)
3ヵ月後:あとで・・・追加します。

腰椎レーザーの効果

もともと腰椎ヘルニアは、それほど大きなものではありませんでしたが、通勤で立っているのと仕事で座っているのがつらく、頚椎のように爆発して激痛に襲われないようにする予防的な手段でした。レーザー直後は、下肢が直角まで曲がりました。腰痛は半減した程度で、2週間を過ぎた頃、いったん腰痛(穿刺したあたり)がひどくなり1週間ほど鎮痛剤でごまかして過ごしました。その後は坐骨神経痛のような痛みはましになっています。1ヶ月後のMRIにて確認したら、わずかにデッパリがましになっている程度で、まだ椎間板が脊髄にべったりくっついていました。腰痛もましになり、座っていても楽になりましたが、まだ腰の違和感と少しの痛みは残っています。

回復と社会復帰の状況
頚椎レーザー治療の10日後に社会復帰しました。最初の2週間は、PCの前に座っている姿勢がつらくて、出社1日目は夕方にはぐったりしていました。復帰1ヶ月を過ぎた頃から、次第に元のペースで仕事ができるようになりましたが、まだ体力や持久力がありません。移動性の頚腕痛、利き手の右手に後遺症があるので、PCキーボードやペン、箸や手先の細かい作業(お裁縫も)は苦手です。2ヶ月後くらいには、残業もできるようになり、近場ですが海外旅行にも出かける予定です。
レーザー前後の握力は、右11→17kg弱(もと30kg以上、若かったのか、前方固定手術前の最高は、43kg)、左21→23kg
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入院時に改善された症状
-腕から肩甲骨の激痛(持続牽引:2時間*3回/日)

レーザー後から改善された症状
-起床時の手や腕のこわばり
-頭を下げたときのふらつき
-くしゃみ、あくび、咳をした時の首-腕の痛み、しびれ感の増強
-右腕が動くようになった
-平らなベッドで寝られるようになった

改善されない症状
-右手の人差し指の腫れ、しびれ感、痛み、知覚異常
-右手の指や手の甲の知覚鈍麻
-肩こり
-移動性の頚湾痛
-両手のしびれ(時々)

効果のあった治療
入院時の持続牽引(1日2時間×3回、錘1.5kg、ベッドに寝たまま):激痛が1週間あまりで治まり寝られるようになりました。但し、3週間続けましたが、その後の鈍痛には効果がありませんでした。
KSバンド:社会復帰後、長らく首のコルセットをはめていて、首が動かせなかったので、余計に肩こりや頚腕痛がつらかったのですが、最初2週間くらいは、就業時間中ずっと身に着けていました。時々ストレッチをしたりして、筋肉をほぐしている間に首もある程度動かせるようになり、痛みも軽減し(首筋の筋力がついてきた?)、今は自宅で使っているだけですが、腕の重さによる頚椎への負担を軽減してくれました。
(医師の処方がないと入手できませんが、購入価格は8000円程度、保険で7割戻ります。)

最後に、レーザー治療を受けた感想
レーザー適用が可能な症例で効果があるのならば、私のように再発した患者には朗報だと思います。また、レーザーで日常生活が楽になるならば、あの息も出来ない激痛の恐怖も消失するのではないでしょうか。私は自ら実験中ですが、今回の2回のレーザーに効果があれば、頚椎の残りのヘルニアも爆発前に退治しようかと考えています。もう救急車や入院はこりごりですから・・・但し、レーザーで完全にヘルニアがへっこむと過信しないように、あくまでもQOL(Quality of Life)を高め、外出や仕事が安心してできる程度と解釈するのがよいかと。どのような症例でも効果があるとは限らないので、投資もしくは、賭けのようなところがあります。
さらに、私にとって重要だったのは、まず自分の病気を勉強して理解すること。そして何としてでも回復して日常生活ができるようになるんだと信じ、自らの強い意志を持って、病気に向かうこと。最後に、ドクターのアドバイスを参考に、自分が選択した治療方針に向かってがんばること。。。が大切です。
痛くて寝られなかったのは、入院して1週間くらいだけでしたし、マイペースで暢気で思い切りが良いので、これらが実践できたのかもしれません。また、入院していたので、仕事のことが気にはなりましたが、治療に専念できました。もし、無理しながら出社していたら、痛みと寝不足で欝になっていたかもしれないと思います。


追記
参考までに、MRI画像を添付します。
画像は、縦割りと横割がありますが、レーザー一週間後と五週間後の違いを見て下さい。残念ながら、レーザー前の画像は、フィルムだけなので、スキャナーが使えるようになったら追加します。

☆写真はサムネイルで小さくなっています。大きな写真が見たい方はクリックしてください。

1W後 5W後
1W後縦割り 5W後縦割り


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