顎関節症のあなたに 

顎関節症のあなたに、私が診て頂いていた歯医者さんから教わったリハビリをご紹介します。

そもそも顎関節症って、どんな病気でしょうか。
顎がずれてしまって、カクカクと音がする。口がうまく開かない。顔が痛い。かみ合わせのズレから、肩こりや首の痛みを発症して、そのうち体のゆがみから満足に歩けなくなったり、口を開けるときの不快感が気になって、食事も楽しめなくなってしまったり、苦しむ人が多い病気ですね。

私はお医者さまではないので、自分の経験の範囲と、自分が治療していただいたり、自分が教わった範囲でしかこのページに記すことは出来ませんが、顎関節症は、ふたつのタイプのアプローチで分けられると思います。

★外科的処置が必要なタイプ 顎関節が器質的に損傷がひどく、手術しなくては物理的に治らないタイプ・・・私は手術の経験がありませんので、この方たちには何もお伝えすることができません。けれども、お医者様に聞いた範囲では、こういうタイプはそんなに多くありません。
★保存的処置で治療できるタイプ・・・顎関節症って、大丈夫、ちゃんと治るんだ、とまず安心して、一緒に私とリハビリしていきましょう!

わたしは頚椎の損傷が先だったので、側湾してしまった首の骨に付き合ってしまう形で、右側の関節円盤がかなりずれてしまいました。大きな音もしましたし、一番ひどいときはストロー一本くらいしか口が開かなかったり、顔中痛かったときもありました。でも、今はもう大丈夫!だからたあなたもきっとよくなります。

1.さて、顎関節症は、顎のずれそのものより、緊張や不安で歯を食いしばってしまうのが顔や顎の痛みの一番の原因です。ストレスや心配事が背後にあることが多いです。
もし、今あなたがストレスを抱えているようなら、そのストレスをまず解決するように環境を整えることがリハビリのワンステップです。

2.歯医者さんでマウスピースをつくってもらった人はいらっしゃいますか?
夜寝るときにマウスピースを装着するように言われた方、昼間もイメージのマウスピースをして見ましょう。これは私が歯医者さんから教わった治療法です。
お口の中に、空気で出来たマウスピースがあるところを想像してみてください。
はじめはうまくいかなかもしれませんが、何度もイメージを作る練習をしていると、だんだんとコツがつかめてきます。イメージが出来たら、緊張したり、不安になったりしているとき。または昼間リラックスしてそばに誰もいないとき。あるいは、パソコンの画面に向かっているとき。歯をつい食いしばってしまうタイミングで、いつもエアーマウスピースをしているところをイメージしてみてください。頬の筋肉が緩んできます。このイメージマウスピースだけで、上手に続けるとかみ合わせが数ミリ浮き上がって痛みが取れて来るんです。

3.頬の筋肉のマッサージ
するするとよく手になじむ化粧品のマッサージクリームを買ってきます。顎から頬にかけての筋肉に蒸しタオルをあてて、暖めます。そのとき、蒸しタオルに気に入ったアロマオイルをちょっとたらして気持ちのよい香りをつけてリラックスするのもいいですね。
暖めたら、クリームをつけて、食いしばって緊張している筋肉を優しくマッサージ。お肌もきれいになって一石二鳥ですね。

4.日ごろから、体のゆがみを助長するような姿勢をなるべくとらないようにしましょう。
頬杖をつく癖。バッグをいつもどちらかの手で持つ癖。足や手を組む癖。ご飯を食べながら片目で横にあるテレビを見る癖。そんなに神経質にならなくてもいいですから、体に無理なゆがみの癖がつく習慣を少しずつ直していきます。

5.夜寝る前に、自分を自己暗示にかけましょう。リラックスして豊かな眠りにつける。食いしばったり絶対しない。大丈夫。
寝る前には好きな音楽をかけて、出来るだけ気持ちのよい就寝タイムを作れるように工夫します。アロマオイルをちょっとたらして落ち着いたベッドタイムを演出するのもオススメです。

6.歯医者さんで治療することが多い病気ですが、この病気は50%以上が緊張、不安による食いしばりからくる顔の筋肉の緊張、慢性の痛み、すなわち筋筋膜症候群だと言われています。顎やかみ合わせがずれていることは、きっかけになることはあっても、それが痛みの主な原因にはならないのですね。精神科や心療内科で筋弛緩剤や精神安定剤、抗鬱薬を処方してもらって、必要ならカウンセリングを受けることでとても楽になるケースは多いと思います。ちなみに、私はSSRIと呼ばれる抗鬱薬と、ごく最初のころは筋弛緩剤で治療しました。私のケースではマウスピースは随分助けになりました。樹脂で出来たもので、上あごだけに装着するものです。初めは邪魔でしたが、つけて寝ると顔の筋肉が次の朝楽になって、どんどん緊張がほぐれて行くのがわかりました。
このスプリント療法と呼ばれるマウスピース装着には、合わない人もいるようですが、顎関節症を治療しなれている上手な先生につくってもらえれば、とても助けになることも多いと思います。
個人的にですが、あっちを削り、こっちを削り、という歯をやたらに削る治療は合わない人もいるような気がします。いくら削ってもノイローゼになるケースもあるような・・・。
でも、これも、あなたが信頼している主治医にしてもらえる治療なら、楽になることも多いことと思いますから、一概にいえませんが。顎関節症の治療は、信頼できるドクターが見つかった時点で、50%くらい終わっているのではないか、というのが私の考えです。

7.交感神経が緊張していると、食いしばりが止みません。リラックスするには、深呼吸がうれしい、と言う瞬間を一日に何度もつくるのがコツ。全身運動をやってみましょう。
スポーツは、有酸素運動から。筋トレのような、歯を食いしばるタイプの無酸素運動は痛みがある間は控えてください。
ウォーキング、水泳、水の中を泳ぐ、ストレッチ、ジョギング。あなたが楽しいと思う運動を少しずつやって見ましょう。汗ばむほど運動して、ふぅーっと深呼吸すると、緊張が緩んで歯のかみ合わせも浮き上がってきます。

8.ゆっくり、はじめはゆっくりでいいですから、口を開ける練習です。頬や顎を優しくマッサージしながらゆっくり口をあけてみます。毎日やると、だんだんと筋肉が柔軟性を取り戻して、痛みがやわらぐのがわかってくると思います。
やり方を具体的に説明します。
  • 口を出来るだけ大きく開けます。限界までいったところで止めて、50秒間ストレッチ。
  • 口の中に指を入れます。片方の頬の筋肉を内側から引っ張ります。気持ちがいい、というところで止めて、ストレッチ。これも50秒間です。
  • 簡単な運動ですが、1日3回やってみてください。

9.口や顔だけでなく、周辺の筋肉もストレッチしましょう。
肩、首や腕、時間があれば全身のストレッチをやってみてください。


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10.さて、これがリハビリ最後の項目。
管理人は、ひどいときには口が開かなくなるような顎の痛みや顔の痛みに襲われましたが、実は顎関節症についてはそれほど深刻に受け止めませんでした。頚椎ヘルニアがあったので、そちらの方が恐ろしくて・・・何しろ、頚椎は手術を失敗すると車椅子になってしまうので、首の障害はとても怖かったのですが、顎はまあ、車椅子になったりどこか麻痺したりしないから、まあいいや、そのうち治るだろう、首より何ぼかマシだ。とあまり深刻に考えていませんでした。
そうしたら、なんとなく治りました。いつごろだったかふと気がついたら治っていました。
もちろん、スプリントをつくったり、歯医者さんに通ったり、治療はしたのですが・・。

難しいことですが、なるべく顎から意識をそらす工夫も大事です。何かほかの事に夢中になっているとき、顎の痛みは気にならないことも多いのではないでしょうか。
生活を忙しくする工夫と努力をする。脱力とリラックスの練習をする。そんな小さな、小さな努力を積み重ねているうちに、きっと治ってくると思います。


 さて、これは歯医者さんでつくるほど高くはないけれど、自宅で自分で作れる歯軋りのマウスピースです。本格的な顎関節症であごがとっても痛い人には薦められませんが、歯軋りで肩がこってしまうような方は、まずは安いので、これで試してみて、効果があるようなら歯医者さんでつくってもらうようなことも出来ますね。寝ている間にすごい音をたてて歯軋りをしてしまう、起きると全身に力が入っているような方はちょっと試してみるのも悪くないかもしれません。

一緒に歩いていきましょうね!

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