様々な治療法


なかなか治らない慢性の痛みや、心の病気には医療として認められたもの以外に、民間療法がありますね。また、お医者様の中でも、独自の治療技術を持って治療にあたっている先生もいらっしゃいます。
このページでは、そういう独特な治療や代替医療の中から代表的なものや、家庭でできて手軽なものを集めてみました。
このページを参考にするときにお願いがあります。
それぞれの情報は自己責任で取り入れてくださいね。
管理人自身には、よく効いたものも、あまり効かなかったものもありますし、日本とオーストラリアで資格制度が異なるものもあります。治療院の経営状態や、治療者の実力によって随分違いが出てきてしまうものなので、そこらへんをよく見極めていただきたいと思います。
写真は、シドニーで有名なハリの先生です。
代替医療のトップは、鍼灸の解説から。
カリブ海まで出張して、ハリウッドのセレブの治療を手がけているヒデシ先生にハリについて聞いてみました。

鍼灸の世界

針やお灸がもともとは中国から生まれた東洋医学の一部だということは、多分皆さんご存知だと思います。
東洋医学の世界は奥が深くて、一言で簡単に説明するのはとても難しいのですが、西洋医学が科学で証明される実学的な医学であるのに対して、東洋医学は経験則に基づく医学です。
古くから中国で、怪我や病気をしたときに、ごく自然にマッサージしたり、冷やしたり暖めたり、栄養のあるものを食べるよう心がけたり、そんな庶民の知恵と工夫の中から生まれた自然の治療法の一部です。

ごく細い金属で出来た針を、体中に点在している、経絡と呼ばれる気の通り道の上のつぼに刺していきます。
経絡というのは、神経とも違う、体の中のエネルギーの通り道。気の通り道です。
それぞれ、関連する臓器とつながっていて、その経絡上のつぼに針を打ったり、お灸を据えたりして刺激すると、体に独特の反応が現れます。
ひとことでいうと、その「独特の反応」が治療効果なのです。

Q.針の治療って痛くないですか?
A..よく誤解されることですが、針の治療は、決して痛いものではありません。
もちろん施術者によって技量の差がありますから、下手な人が打つと痛い、ということは言えるけれど、ベテランのきちんとした施術者なら痛くはないですね。
たまに、ズーン、と来る刺激はとてもいい反応で、そのときはちょっと痛いと思っても、あとからその近辺はとても痛みがとれて、怪我や病気がよくなっていることが多いです。
筋肉の緊張が取れるサインでもあります。
ちくちく、ひりひりした不快な痛みを感じることがあったら、施術者に言ってみてください。こういう痛みは、ないほうがいい痛みです。我慢する必要はありません。

Q.針って、どうして効くんですか??
A.体中のつぼを刺激して、自己治癒力を高めることによって、免疫力を強化したり、交感神経と副交感神経のバランスを整えたりする作用があります。
だから様々な病気の治療に使われるのですが、特に鎮痛効果があることで知られていて、針で麻酔もできるほど。慢性の痛みを抱える患者さんにはとても効果の高い治療方法だと思います。

Q.どうして鎮痛効果があるんでしょう?
A.つぼに針を打つことによって、脳内の痛みを癒すホルモンの発生を促す、といわれているのだけど、一番大事なことは、針を含めて東洋医学全般は、病気ではなくて、患者本人の体に対する治療だということです。
病気がたとえなんであれ、より健康に、体のバランスを整える治療なので、たとえば病気や痛みを調子の悪くなった精密機械に整えると、調子の悪い部品を直接修理するのが西洋医学なら、針灸を含める東洋医学は、機械に油をさしたり、余分なほこりを取り除いたり、ストレスがかかって金属疲労を起こさないようにポジション全体を変えたり、という間接的な治療だと思えばいいでしょうね。

Q. 針灸の治療範囲は?
A.前の質問でも出たとおり、鍼灸は本来患者を治療するもので、病気を治療するものではないから、はっきりいえばありとあらゆる病気や怪我が治療対象になります。
でもその中でも特に得意なのは、神経疾患。
痛みや、緊張、異常な麻痺、不自然なアレルギーなど、体のたくさんの不定愁訴に効果的なことで知られています。

Q.治療は高いと思いませんか?
A.保険がきかないから、安い治療ではないですね。
でも、今日本ではずいぶん保険適用で治療できる範囲は増えてきたし、ここオーストラリアでも民間の医療保険に入っていればカバーされるケースがほとんどなので、ぜひトライしてみてください。長い目で見て、健康管理にとてもいいものです。

Q.針治療で気をつけることは?
A.そんなに神経質になることはないけれど、終わった後なれないと脱力してしまうことが多いので、発熱しているときは慎重に。
なるべく休憩がとれる時間にやるといいですね。

Q.先生の針はどんな針ですか?
A.伝統的な脈診を大事にするとてもクラシックな針ですね。全身に打ちます。
電気などは使わず、患者さんひとりひとりに合わせてそのつど1時間、じっくり打つタイプの針です。
接骨院で打つような、部分針に電気を通すような、局所的な治療とは全然違います。
最近は、この脈診が出来る施術者が少なくなって、時間短縮、という感じの部分針も多いけど、この全身の様子を見ながら打っていく針は長い目でみて効き目がありますよ。
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筋筋膜性疼痛に効くといわれている針治療

慢性痛の多くの原因のひとつではないかと言われている筋筋膜性疼痛。
この治療に、針治療が効くということが言われています。
筋筋膜性疼痛、というのはひとことでいうと、筋肉のなかなかとれないひどいコリですが、この状態の筋肉には硬結と言われる、硬くなったポイントートリガーポイント、圧痛点といわれる痛みのポイントがあります。
ここにペインクリニックでブロック注射をすると、痛みが取れることが知られていました。
ペインクリニックの治療の中でも、局所神経ブロックと呼ばれる基本的なものです。

ところが、最近アメリカの実験で、このトリガーポイントに、局所麻酔薬を注射しなくても、ドライニードルといって針を刺しただけでも効果があるということがわかって、局所麻酔剤の効果が少し疑問視されています。
筋肉のその部分をとにかく刺激する、ということが大切なのではないかということです。
この理論でいうと、おそらく指圧でも、お灸でもある程度の効果が望めそうですね。

また、筋筋膜性疼痛のトリガーポイントと鍼治療のツボとは、多くの場合一致するそうです。

こうなると、圧痛点を抑えながら、なおかつ全身の状態をよくする効果があるとされる針治療は、代替療法の中では、かなり慢性痛に効果のある治療といえそうですね。

針の先生の中にも、このトリガーポイントに注目して、従来の経絡に沿って針を打つ治療だけではなく、患者さんに圧痛点を一つ一つ聞いて確かめながら打っていく西洋医学的な施術を試みる先生も出てきました。
さらに、もともと鍼の先生は、ツボを押さえて針を打つことのプロですから、ペインクリニックの麻酔科のドクターに負けるとも劣らず、圧痛点を正確に感知する感性に優れていることもあると思います。
アメリカなどでは、鍼治療は慢性痛の中でも優れた代替療法として人気が出ているようです。

人体を解剖したり、薬品や動物を使って実験したりして、基礎的な科学をバックグラウンドに発展してきた西洋医学と違って、鍼を含む東洋医学は、古くから、ここを押さえると痛みが楽になった、あそこを温めると具合がよくなった、この木の葉をせんじると病気が治った、という経験医学の集大成で出来ています。
何千年という経験の積み重ねで洗練されてきた治療に、最近様々な実験によって科学のメスがはいり、その仕組みが少しずつ解き明かされようとしています。

治療を受けるときに気をつけること

鍼に限ったことではありませんが、施術者には力量にすごい差があります。
いい先生を見つける、ということがまずは治療を受ける第一歩ではないでしょうか。
口コミで探すのが一番だと思いますが、くれぐれもきちんとした治療院を選んでくださいね。

1時間近くの間、服を脱いで体を任せるのですから、技術だけでなく人柄もとても大事です。

くれぐれも自己責任でお願いします、ということをお断りしてから、管理人の私の経験をお話すると、私には鍼やお灸はとても効果がありました。
長い時間かかりましたが、体調を整えてだんだんと筋肉の緊張を解いていった印象があります。

皆様の痛みが、一日も早く楽になりますように。

さて、下のリンクは鍼灸の先生のネットです。
あなたの街の名医を探してみてください。

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